介護保険の改悪で 施設からの追い出しや 車椅子のと利上げが深刻に （２００６年６月２０日）

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介護保険制度が改悪された結果、入所料が払えずに特別養護老人ホームから出なければならなくなったり、１０月からは、車いすなどの福祉用具が「要支援」と「要介護１」では借りられなくなるため、大問題になっています。

月に５万円もの 入所料の引き上げが 　昨年１０月から特別養護老人ホームの入所料が、相部屋で月に３万円程度、個室では５万円も引き上げられました（下表参照）。 　その結果、入所料を払うことができずに、特養ホームを出て行かなければならなくなった高齢者が、全国で３０００人を超すといわれています（全国保険医団体連合会調べより）。 　千葉県でも、社会保障推進千葉県協議会が県内施設にたいして行ったアンケートでは、回答のあった８８施設で、「退所」もしくは「退所を検討」している入所者は１７人。 　全施設あわせると６０人近くにのぼるものと見られています。

【特別養護老人ホームの料金引き上げ額】

2005年9月 2005年10月 引き上げ額 相部屋 ５４,１４５円 ８４,３６９円 ３０,２２４円 従来型個室 ５４,２１９円 １０７,９７９円 ５３,７６０円 ユニット型個室 ９２,１７９円 １４６,２７５円 ５４,０９６円

※収入が年金で２６６万円超の人の場合の県調査平均額

施設の側も 大幅な減収に 　一方、施設を運営している社会福祉法人などへの介護報酬は減らされており、県内のある特養ホーム（相部屋中心で５０床）では年間で２５００万円もの減収になったため、調理員を一人減らさざるを得なくなったと話しています。 福祉用具は 介護度２以上に限定 　在宅介護でも、車椅子や電動ベッドなどの福祉用具のレンタルは、いままで「要支援」でも介護保険が適用され月３０００円程度で借りることができたのに、今年の１０月以降は、保険適用が「介護度２」以上に限定され、「介護度１」「要支援１・２」では保険が適用されないため、借りることができなくなってしまいます。 　県の資料によれば、昨年度の福祉用具レンタル総件数約４４万６千件のうち、「要支援」「要介護度１」の人は１５万７千件と３分の１を占めています。 両足切断の人からも 車椅子を取り上げ 　ある糖尿病の高齢者は、壊死（えし）で両足を切断したため、介護保険で電動車椅子を借りて生活をしていましたが、認定の更新で「要支援２」となってしまい、車椅子を返さなければならず、「家に閉じこもっていろ、ということか」と悲嘆にくれています。 　国では「介護度２」以上に限定した理由として、「要支援者の自立支援に十分な効果を上げる」ためとしてますが、いままで車椅子を借りて自立していた人から、その手立てを奪うことが、なぜ「自立支援」なのでしょうか。 　いま、県内各地で、介護保険大改悪に対して、怒りと不安の声が広がっています。