キューバよりをこめて

「AMOR DE CUBA(アモール・デ・クーバ)」
〜マリーの恋人〜
(2005年6月18日)
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 5階に住むマリーは、女性の目から見てもとても魅力的な人です。
 濃い目のムラータ(混血)、ちょっと太めながらセクシーな雰囲気、決して媚びてないし、多分本人は「セクシーね」なんて言ったら、例のびっくりしたような、目を斜め上を見る目つきをして、「グラーシャス(ありがとー)」って言うかも。

 表情豊かなだけでなく、自分の意見や感性をしっかり持って、自分らしく生きているのがわかります。小学生の男の子と二人暮しで、警備の仕事をしています。休みにはエアロビクスに通い、時々我が家に本を借りに来ます。

 夕べ、うちのカレから借りた本を胸に抱きしめるようにして、
 「本はあたしの恋人、そしてママ」
 そんなマリーが私は大好きです。

 つい私は軽口を、
 「別の恋人?」って。

 マリーは悪びれもせず、やわらかく笑って私にベシート(頬キス)して、
 「チャオ!」と帰っていきました。

 彼女には一緒に暮らしていない恋人がいます。
 見たところ、50代。落ち着いた上品な雰囲気のその人は、週に3日以上(?)はマリーの家へ来ます。私は見張ってるわけでは決してないのですが、我が家のバルコニーの下に彼の車が止まるので、自然に目に入るのです。
 時には、マリーと息子と3人で出かけていったり、二人だけのときもあったり、なかなかいい雰囲気なのです。

 ウイークデーは夕方、仕事帰りに。
 そして土日はかなり朝早く、その彼はやってきます。
 義理堅いほど几帳面(?)に、恋人の家へ通ってくるクバーナです。

 結婚しないところをみると、彼には家庭があるのでしょう。
 でもここキューバでは、そんなことを気にする人はいませんから、ふたりの姿を見て、ちょっともの思いに耽ってしまうのは私だけのようです。

《上の写真》
 キューバ国旗をドレスにまとっているお人形、クバーナ(キューバ女性)の特徴をよく表しています。実はこれ、キューバ製ではなく、ベネズエラ製です。
 キューバとベネズエラの経済交流の約束が、先の、チャベス(ベネズエラ大統領)とフィデル(カストロ議長)の「協定」で交わされ、さっそく「EXPO VENEZUELA」がハバナで開かれました。これから輸入されるベネズエラの商品がたくさん展示され、このお人形さんたちはその一角を飾っていました。