丸山慎一１０分演説

（２００７年３月２９日）

　ご地域のみなさん、日本共産党県議会議員の丸山慎一でございます。お静かな中ですが、１０分ほどお話をさせていただきたいと思います。

「景気がよくなった」と
政府は言うけれど…

　みなさん、いま政府は盛んに、景気がよくなったとか景気拡大の記録を更新したなどと宣伝しています。しかし、大多数のみなさんは、そんな実感をまったく持っていないのではないでしょうか。それは当然のことだと思います。

　この間、中小企業の倒産件数はうなぎのぼりに増え、サラリーマンのみなさんの給料は目減りしています。これでは、景気など感じられないのは当たり前です。

　なぜ、こんなことになっているんでしょうか。
　それは、政府が言っている「景気拡大」というのが、サラリーマンや中小企業を絞りに絞り上げて、大企業だけが大もうけをあげる、この歪んだ構造に支えられた形だけの「景気拡大」だからです。

　私たち日本共産党は、この歪みを正していくために、大企業にも儲けにふさわしい応分の負担をしてもらう、体力にふさわしく社会的な役割を果たしてもらうことを提案しています。

儲かっている大企業には減税し
苦しい庶民には大増税

　ところが自民、公明の安倍政権の来年度予算はどうでしょうか。その大企業に１兆円もの大減税を施そうとしています。その一方で、私たち庶民には、１兆７千億円もの大増税を背負わせようとしています。

　儲かっている大企業に減税し、苦しい生活をしている庶民に大増税を押し付ける。これでは、ますます格差が開いていくのは当然です。

　日本共産党はこの格差社会の根源に立ち向かい、みなさん方と一緒に是正させるために、力を尽くしたいと思います。

県も国と一緒に
庶民への負担を増やす

　みなさん、国が庶民いじめのひどい政治を進めているときに、千葉県のような地方自治体は、その国に県民の立場から堂々とものをいっていくことが必要です。同時に、県自らが庶民の暮らしに支援の手を差し伸べるのが当たり前の姿ではないでしょうか。

　ところが千葉県は、手を差し伸べるどころか、国と一緒になって、庶民に重い負担を背負わせてきています。

　たとえば一昨年は子どもさんの難病への県独自の医療費助成制度が全部廃止され、３万人もの小児ぜんそくなどの子どもさんが助成対象から排除されてしまいました。さらにこの４月からは、障害者への医療費助成制度を改悪して、１０億円もの負担を障害者に押し付けようとしています。

福祉のお金を削りに削り
ついに全国一福祉にお金をかけない県に

　こうして千葉県は、毎年のように福祉の予算を削りに削って来た結果、ついに全国で一番福祉にお金をかけない県になってしまいました。

　先日発表された国の統計資料では、高齢者一人当たりの老人福祉費、介護保険や特養ホームなどに使うこのお金が、４７都道府県の中で一番少ない４７位、全国最下位になっています。子どもさん一人当たりの児童福祉費、保育所などに使うこのお金も最下位の４７位。障害者福祉のお金も、これもなんと４７位です。

　高齢者も障害者も子どもさんも、どの分野を見ても全国で一番福祉にお金をかけていない安上がりの県、これが、この千葉県の姿です。

　しかしこれは、もちろん、県民のみなさん方の責任ではありません。福祉が最下位になるような予算を組んだ堂本知事と、それを何のチェックもしないで、議会で賛成して県民に押し付けてきた自民党や公明党、民主党などのオール与党政治の結果に他なりません。

財政力は
全国トップレベルの豊かな県

　私たち日本共産党は、この問題を重視して、県議会で堂本知事に是正を求めてきました。ところが知事は、「お金がないんだから、仕方がない」と言って開き直りました。しかし、こうした事実に反する言い訳は、許されるものではありません。

　なぜなら、千葉県は、お金がない県ではないからです。財政力は、都道府県の中で全国６位。トップレベルの豊かな財政の力を持っているのが、この千葉県です。お金はあるのに、それを福祉に使っていない。ここに千葉県政の大問題があります。

　私たち日本共産党は、この歪んだ税金の使い方をただして、みなさん方の納めた税金が、みなさん方の暮らしや福祉のために、きちんと使われる県政を目指していきたいと思います。

豊かな財政力が
大企業優遇政治に消えていく

　それでは、どこに千葉県の豊かな財政力が消えてしまっているんでしょうか。
　それは、何よりも、目に余る大企業優遇政治です。

　たとえば千葉県は、雇用対策だと言って大企業たった一社に５０億円もの補助金を提供してしまいました。ところがこの大企業が開いてみたら、ただの一人も新たな社員を雇っていなかったということがわかりました。

　まったく雇用が進んでいもいないのに、「雇用対策」だと偽って多額の補助金をあげてしまう。まったく、とんでもない話です。

　さらに、大手ゼネコンの仕事作りにしかならないような無駄な巨大開発も一向に改まりません。
　たとえば東京湾の三番瀬の上に造ろうとしている第二東京湾岸道路、この巨大な高速道路の建設について、千葉県はこれまで、「車の交通量がこれから増えていくから、高速道路が必要なんだ」と説明してきました。

　ところがこの間、現実には、車の量は増えるどころか、逆に減ってきているということが明らかになりました。知事も、「減っている」という事実は認めざるを得ませんでした。それにもかかわらず、高速道路の建設計画はいっさい見直そうとしていません。
　ほんとに、おかしな話ではないでしょうか。

　こうした筋が通らない、説明もつかないようなことをごり押ししてまで、何がなんでも大手ゼネコンや大企業の儲けを保証するための政治を進めようとする。この姿勢こそ、県政をゆがめている最大の元凶です。

企業献金を受け取らない
日本共産党だからこそ

　本来、県政が、こうした暴走を始めたら、それに待ったをかけてチェックするのが県議会の役割です。ところが、自民党も民主党も、こうした大企業からお金をもらい、その企業献金の見返りに大企業が儲かるような政治の後押しをしています。

　これでは、大企業優遇政治をチェックできないのは当然ではないでしょうか。

　日本共産党は、企業からただの一円もお金を受け取っていない政党です。
　この日本共産党と、まっとうな政治を願う県民のみなさんとの共同の力こそ、県政の歪みを正せる一番確かな保証ではないでしょうか。

　日本共産党と力を合わせていこうではありませんか。

子どもの医療費無料化と
老後の安心を

　お金の使い方の歪みを正せば、たくさんのことが実現できます。

　いま日本共産党は、「子どもの医療費無料化署名」と「老後の暮らし安心署名」に取り組んでいますが、私は、県民のみなさんと力を合わせて、１２歳までの子どもさんの医療費を無料にすること、そして、国民健康保険や介護保険、医療費の負担を引き下げて、安心して暮らせる千葉県を作りたいと思います。

政務調査費の領収書の公開は
当然のこと

　みなさん、自民、公明、民主などのオール与党は、県民には歪みを押し付けておきながら、自分たちが受け取っている政務調査費については、その使い方を隠すようなことをやっています。

　千葉県では、議員一人当たり、年間、４８０万円もの政務調査費が支給されています。ところが、これをどう使っているのか、領収書を見せる必要がないために、何に使っていても分からない仕組みになっています。

　私たち日本共産党は、県民のみなさんの税金から受け取っているお金ですから、当然、県民にすべての領収書を公開するべきだと再三議会で求めてきました。１２月の議会には県民のみなさん方からも、「領収書の公開を求める請願」が出されました。ところがこの請願に、自民党や公明党はもちろん、驚いたことにあの民主党までもが反対し、請願を否決して、領収書の公開への道を閉ざしてしまいました。

　こうした県民に隠し事をするような勢力に、みなさん方の未来を託すことができるでしょうか。日本共産党とご一緒に、１００％県民に開かれた県政を作り上げようではありませんか。

憲法九条を守り抜く

　みなさん、いま、平和が重大な危機に直面しています。安倍総理大臣を先頭に、自民党も民主党も、「憲法九条を変える」と宣言しているからです。私たち日本共産党は、あの戦前の暗闇の時代から、戦争に反対し続け、平和を求め続けた党として、絶対に憲法九条を変えさせるわけにはまいりません。

　多くの平和を願う県民のみなさん方と、日本共産党との共同の輪をさらに広げて、憲法九条を守り抜こうではありませんか。

　そのためにも、４月８日に行われる県議会議員選挙では、日本共産党の私、丸山慎一にみなさん方の願いを託してください。４月２２日の市議会議員選挙では、日本共産党の８人にみなさん方の力をお寄せいただいて、議会へと送り出してくださいますよう重ねてお願い申し上げまして、この場所での訴えとさせていただきます。

　お静かな中、ご協力、ありがとうございました。

２００７年３月
日本共産党千葉県議会議員
丸山慎一

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