５０億円で誘致した企業が なんと正社員の雇用ゼロ 決算審査で明らかに

（２００６年１０月３１日）

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千葉県が５０億円もの立地企業補助金を提供して誘致した大企業は、正社員の新規採用がゼロだった-----こんな驚くべき実態が、２７日の県議会決算委員会での日本共産党・丸山慎一議員の追及で明らかになりました。 　この企業は、県が茂原市に誘致した、日立・東芝・松下の電機大手３社による合弁企業・IPSアルファテクノロジー社（資本金６９０億円）。大型液晶パネルなどを生産します。堂本知事が、他県との誘致競争に勝つためとして、１５年間にわたり合計５０億円の補助金交付を決め、そのための企業誘致条例まで制定して、鳴り物入りで誘致しました。 　丸山議員の調査によると、今年５月に創業開始した同社の９月末現在の従業員は、正社員約６００人、派遣・請負などが約５００人。正社員はすべて系列企業である日立ディスプレイからの横すべりで、IPS社が新規採用したのは派遣・請負だけであることが判明しました。 　丸山議員の指摘に対して県は、IPS社への異動の補充として日立ディスプレイ社が独自に新規採用しているとしましたが、新規採用された５５０人のうち正社員は１１０人だけであることが明らかになりました。 　丸山議員は「莫大な税金をつぎこんだ誘致企業は新規の正社員採用ゼロで、系列企業は正社員を送りこんで空いた穴を派遣や請負で埋める。これでは雇用創出どころか、雇用構造をより不安定にするものだ。こういう形で税金を使うやり方は考え直す必要がある」と主張しました。

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