拍車かかる千葉県の大企業優遇
日本共産党だけが徹底追及

（２００７年２月１８日）

大企業一社に５０億円もの補助金

　全国で繰り広げられる企業誘致合戦に「遅れをとるな」とばかり、千葉県は、茂原市に誘致した日立系大企業「ＩＰＳアルファテクノロジ」(右の写真）一社に５０億円もの補助金交付を決め、そのために新たな条例を制定しました。県議会でも、「最先端の技術が、千葉県から全世界に発信されることに感銘」（自民）「同工場への大きな期待がもたれている」（社民）など、オール与党から賛美の声が上がり、条例は共産党以外のすべての党の賛成で成立しました。

　しかし「地域経済を活性化し、地元雇用を増やす」とのうたい文句とは裏腹に、正規職員の地元採用は一人もありませんでした。党県議団の調べで分かったのは、正規職員はすべて隣接する親会社の「日立ディスプレイズ」からの横滑り、しかもこの親会社は産業再生法の適用を受けリストラの真っ最中。何のことはありません。５０億円もの貴重な税金は、日立のリストラを支援するために使われていた、というに等しい実態です。

県民には増税、大企業には減税

　住民税の定率減税廃止による千葉県民の増税額は４４９億円。一方、県内企業の法人関係税の減税額は県民負担増とほぼ同額の今年度４７０億円で、１９９８年からの累計額はなんと２６００億円にも。県民から搾り取って大企業に注ぐ、税制のゆがみがここにはっきり現れています。県議会では、定率減税を廃止し法人税減税を恒久化する議案に自民、民主、公明、社民の各党が賛成しました。

　また千葉県は、他の工業県が法にもとづいて実施している大企業法人事業税の超過課税（東京都、神奈川県など七都府県が実施）をかたくなに拒否、年間２４０億円（０６年度ベース）の財源をみすみす放棄しています。しかも、この措置を実施しても、国から届く交付税は削減されない仕組みですから、自主財源として自由に県民福祉の向上に使うことができるのです。党県議団は、くりかえし実施せよと要求してきました。

新たな庶民増税も検討

　さらに、県民への新たな増税構想もたくらまれています。「仮称みどり新税」と呼ばれるこの新税は、県民税の均等割１０００円を１５００円に５割増するという構想です。県議会で、この新税を「取り入れる考えはないか」「導入を決断するか」とくりかえし実施を迫っているのが公明党です。国政で定率減税全廃を提案し「増税戦犯」と言われる公明党が、県政でも増税の旗振り役を務めています。

　ささやかな福祉の予算は、重箱のスミをつつくように削ったり出し渋る一方で、県民への負担増を押しつけ、大企業の利益を優先する千葉県と県議会オール与党の姿勢は本当に異常です。

　日本共産党は、「大企業利益優先のゆがみにメス」「大企業は社会的責任をはたし応分の負担を」の政策を掲げ奮闘しています。

【しんぶん赤旗・淀裕一記者】

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