９０億円もの補助金受けながら ＩＰＳアルファテクノロジが ４３７人の派遣ぎり

（２００９年１月２９日）

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茂原市にある株式会社ＩＰＳアルファテクノロジは、日立ディスプレイズ社が松下電器などと共同で設立した企業で、資本金は１０００億円。創業は２００６年６月で、薄型テレビの液晶画面を製造しています。 　千葉県は、雇用の確保などを名目にこの会社の誘致のために、５０億円もの補助金を支出。茂原市も４０億円出し、合わせて９０億円もの公金が提供されています。 従業員の半分以上が派遣社員 　ところが実際には、全社員１８８５人（昨年１２月末）のうち正社員はわずか８５１人で、派遣社員などの非正規労働者が１０３４人と５５％を占めています。しかも、正社員はすべて親会社の日立ディスプレイズや松下電器などからの出向社員で、新たな正社員の雇用は一人もありせん。 　これだけでも多額の補助金が、雇用に役立てられていないことがわかります。 　ところがＩＰＳ社では、いわゆる「派遣ぎり」が行われており、昨年９月から１２月の４ヶ月間で、４３７人もの派遣社員が雇い止めにあっています。 　安い給料で働かせて会社はもうけを上げてきたのに、景気が悪くなった途端に「首」を切って寒空に投げ出すようなことをするのは、人道上も大問題です。 厚労省の求めも受け入れず 　厚生労働省は派遣労働者を受け入れている企業にたいして、雇い止めの際に「関連会社への就業のあっせん」などを求めていますが（昨年１２月１９日）、ＩＰＳ社では、それさえ行われていません。 　現在、ＩＰＳ社では、兵庫県姫路市とマレーシアに新しい工場を建設している真っ最中であり、設備拡大には大金を注ぎながら、不況を口実に派遣をきるやり方にも、批判が集まっています。 県は補助金を７０億円に増額予定 　ところが県は、大企業への補助金を４月から７０億円に増額しようとしているというのですから、大きな問題です。しかも、いままでは、同一企業には１回だけしか補助できなかったものを、繰り返し補助できるようにします。 　さらに、補助金を出す条件として、いままで５００人だった従業員数を、３００人に減らしてしまいました。県は、「いままでは従業員数ということで、派遣社員でもよかったが、４月からは会社が直接雇用した人数に限定した」などとしていますが、パートやアルバイトでも直接雇用していればいいので、不安定雇用には変わりありません。 　ただただ大企業の利益第一の堂本知事の姿勢が、ここでも表れています。

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