産廃処分場設置で県が再び敗訴 日本共産党が県に上告するなと申し入れ

（２００９年５月２９日）

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銚子市、旭市、東庄町にまたがって建設が計画されている産業廃棄物処分場建設計画（事業者はエコテック）への県の建設許可をめぐって、周辺住民が起こした許可取り消し裁判で、千葉地裁に続いて、東京高裁でも住民側の勝訴判決が出されました。 　判決では、県が法令の適用を誤ったことがあげられていますが、その背景には環境悪化を食い止めるという県の姿勢の欠如があります。 　日本共産党千葉県議団は５月２９日、６月３日の上告期限を目前に控え、知事に対して上告しないよう申し入れを行いました。 　申し入れ全文は以下の通りです。

産廃最終処分場の設置許可取り消し訴訟の上告断念を求める申し入れ

千葉県知事　 森田健作　様

２００９年５月２９日 日本共産党千葉県委員会 日本共産党千葉県議会議員団

旭市（旧海上町）、銚子市、東庄町にまたがる産業廃棄物最終処分場（エコテック）について、東京高等裁判所は５月２０日、県の控訴を棄却し、一審に続いて許可の取り消しを命じた。 　今回の計画が明らかになった１９８８年以降、優良な農作地帯に暮らす周辺住民は２０年余にわたり、飲料水、生活用水、農業用水に使用している地下水の安全を守るために、処分場建設に反対してきた。今回の東京高裁判決は、この運動をすすめてきた住民の願いに道理があることを重ねて示したものと言える。 　県は、一審の千葉地裁判決で「事業者の経済的基盤の審査不備」が指摘されたことを不服として控訴した。しかし東京高裁では、県の審査が不備かどうかの判断以前に、県が許可手続きにおいて、改正された廃棄物処理法の趣旨や国からの通達に反し、環境影響評価や住民からの意見聴取を行っていないという重大な瑕疵があったことを指摘した。 　県が、厳しくなった改正後の法を適用しなかった背景には、環境悪化をくい止めようという意思の欠如があると言わざるを得ない。今回の判決は、環境犯罪を許さないとの世論に背く、こうした県の姿勢そのものが司法の手によって断罪されたものある。県は、この高裁判決を重く受け止めるべきである。 　建設予定地周辺の住民は、安全な暮らしと、より良い環境を求めている。県が今回の行政訴訟をこれ以上長引かせて、住民を苦しめることは許されない。よって、県は、上告を断念するよう強く申し入れるものである。

以上

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