キューバより愛をこめて

“キューバ・ヒッチハイク”番外編

（２００８年４月１７日）

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個人のヒッチハイクは、運転手しだい。 　サンチャゴの姪たちとバラコアを旅行したときのこと。 　山々に囲まれた田舎道が延々と続く。 　周りにはバナナやマンゴーの果樹園。 　果物と花が彩りを添えた緑の濃い、自然そのままの景色。 　美しい。 　ときどきすれ違うのは馬に乗った農民。カウボーイハットを被り、散歩してるようにゆっくり歩いている、何の目的もないみたいに。 　牛が草を食んだり寝そべっていたり、いきなり道に出てきたり、羊たちが群れを成して道を横切り始めると、なかなか最後が現れないほど大勢…。 　長閑な風景に鼻歌まじりで車を走らせていると、道端に車を待っている人が見えた、ヒッチハイクだ。こんな田舎道ではめったにチャンスはないだろう。 　果たして？ 　我が男たちの判断は、「大丈夫さ、あいつは男だ、YA（じゃ）！」 　（「YAじゃ」とは、これ以上無し、という意味、キューバ人はよく使う） 　しばらく行くと赤ちゃんを抱いた女性が。 　我が男たちは相談もせず、ごく当然という風に車を停めた。 　大勢がヒッチハイクしようと待っているときには、若い女性から乗せられていく。 　それを問い質したら、 　「そりゃそうだよ女性の方がいいもん同じ乗せるなら、な」とふたり。ま、そうでしょうそうでしょう。 　車はまだ山道を走っている。もう夕暮れて来た。 　道端に車が停まって数人の人が。パンクらしい。 　「スペアを持ってるか？」と訊く。 　スペアタイヤを貸して、相手のIDカードを預かり、２台の車は出発した。市内に入ったところにあるGスタンドで会う約束をして。 　車に乗り込む人たちを見て、うちの男たちが言った、 　「すごいゴルド(太った人)がいるぜ、またパンクするんじゃないか？俺ならあのデブを置いてくヨ」 　「あのゴルドが乗ってなかったら、そもそもパンクしなかっただろう」ふたりは大笑いしながら、眠気が覚めた、と言った。 写真は、バイクで手作りケーキを運んでいるところ。 キューバでは大きなケーキを持っている人をよく見かけるが（混んだタクシーに持ったまま乗ってくる人も！）、バイクでこんな格好で運んでいるのは初めて見た。ナルホド！