キューバより愛をこめて

ご近所情報“噂のキューバ”

（２００８年５月６日）

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世は情報化時代、と言ったのは一昔前のこと。今や世界はネット社会。 　でもここキューバで欠かせないのが人間による情報。特にご近所情報は大事。そして一番の情報源は、ご多分に漏れず女性たち、なんといっても。 　「マキコ！ボデガ(配給所)にコーヒーが来たよ」とか、「今月は烏賊(イカ)の代わりに鶏肉が増えるよ」なんてのは、ま、あってもなくてもさほど差し支えない。が、いつも教えてくれる、お隣の暇なおばあちゃん、ブランカが。 　私の知りたいのは、 　「センスの良い美容師が隣の５階に越してきた」とか、 　「もうじきペソの交換比率が変わるらしい」など、聞き逃せない情報。 　キューバでは国民から改善要求が出されると、実行に移されるのがとても早い。 　キューバ人自身が知らないうちに変わる事がよくある。キューバのペソを強くしたい(キューバ人の給与はペソで支払われるので、国民の要求なのだ)というのは、フィデルが言っていたことでもあるし、先だっての国会でラウールが言ったから間違いなく実施されるだろう。 　今は１CUC(キューバ兌換ペソ、為替はドルと同じ)＝２４PESO(MN国民ペソ)、これを１５ペソにしたいと言ったとか。 義姉は、ベネスエラへ行っている娘の給与(これはCUCで支払われる)をMNに両替した、と言う。 で、(私は日本円からCUCに両替しているので)さっそく手持ちのCUCをMNに替えておく、２４ペソのうちに。 　ここで女性たちの間で噂になっていることは、必ずそのとおりになる、不思議なくらい。 　「ガスが配給から無くなって全部電気になる」と噂されたのは３年位前。その頃、使っているガス台を、大きなオーブン付きのものに買い替えようと思っていたのだが取りやめた。案の定、電気調理器の配給が始まった南東部のサンチャゴからガスが消えた。 　サンチャゴに住む、義姉のリリが、 　「ガスが無いと豚が焼けない、豚の丸焼きが作れないじゃない」と苦情を言っている。義兄のアレ(アレハンドロ）は抜け目無く、闇でガスを手配済み。私がアレの家へ遊びに行ったときには美味しい豚のアサード(丸焼き)を作ってくれたのだ。キューバには豚の丸焼きがなくちゃー！ 　この豚の丸焼き、アサードはチェ・ゲバラの大好物でも知られる。豚のお腹にコングリや野菜を詰めて焼くと、油が落ちて肉がさっぱり、しかも中身の野菜などの味が沁みてとても美味しい。キューバのお祝い事や年越しには欠かせない食べ物。 　というわけで、キューバ人(女性)たちに不評の「ガスの廃止」が、止まっている。ハバナはまだガス(の配給)がある。おそらくずっとガスは使われるのだろう、女性たちの声は大きいから。 写真：本格的な豚の丸焼き（ちょっと哀れ、可哀想）