自民党の憲法改悪案
（２００５年４月１６日）

　自民党の憲法改悪案を見ましたか？
　先日明らかになった「自民党新憲法起草委員会（委員長・森前首相）」の要綱ですが、いやぁ、驚きました。予想はしていたものの、ここまで露骨に書き込むとは…。

　まず「憲法９条」の部分は、「自衛のために自衛軍を保持する。自衛軍は国際の平和と安定に寄与することができる」と書き換えます。
　アメリカは「国際平和のために」といってイラク戦争を始めましたが、こういう戦争に「自衛軍」という日本の軍隊が出かけていって、いっしょに戦争ができるということですよね。そして自民党の案では、国民にも「国防の責務」が義務付けられます。

　ほかに、「国民は納税の義務に加えて、社会保障制度の保険料など社会的費用を負担する義務を有する」なんていうことも書いてあります。
　介護や年金は国民の負担でやるということをあえて憲法に書き加えようというのですから、徹底しています。

　腹が立つのは（といっても、全部腹が立つんですが）「家庭を保護する責務」です。自民党の要綱では、「国民は夫婦の協力と責任により、自らの家庭を良好に維持しなければならない」と書かれています。
　なんでこんなことを国から言われなくちゃならないんだ、と誰でも思いますよね。
　まさに「夫婦相和し」の教育勅語の精神そのものです。

　平和で幸せな生活を望む国民が、そのためには「国はこうあるべき」と定めたのがいまの憲法です。
　それを、戦争ができる国になるためには「国民や家庭はこうあるべき」と１８０度逆転させようとしているのが自民党の考えだというのが、要綱を読むと良くわかります。
　こんなの許せますか！

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